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「…寝ちゃった…ま…いいか…………んっと…精霊神から貰った、力の練習でもしよ」
緋影は少し溜め息を漏らした後、離れた場所で『力』とやらの練習を始める
「きゃあっ!?」
何やら激しい音がした
魔界神は目を開け、音のした方を見ると、緋影の姿が黒く煤けていた
神は椅子から立ち上がり
「何をしておるのだ?」
と声をかけると、彼女は振り返る
「魔法の練習…初めて魔力を貰ったから、練習しようと思って…でも、失敗しちゃって…ごめんなさい…起こしちゃったね…もう少し、離れた所でするね」
顔に付いた煤を袖口で拭き、ホテホテと歩いて遠ざかる
魔界神は緋影が行った方向を見て、又椅子に座り眠った
目を開き、緋影が去った方向を見る
微かに何かが光った
光りを見るなり、魔界神は彼女の方へ向かう
暫く歩いて、何かが散らばっているのを見つけ、近づくと肉の塊であった
魔界神の咽喉が鳴る
血の匂いが、鼻を益々刺激する
「これは…『なんだ』?」
触れると柔らかい
白い手に付いた赤い液体
饐(す)えた鉄の匂いが混じった液体だった
突然その『肉の塊』が光り出し、魔界神は右足を少し引くと
「………なっ!?……これは……」
塊がある方向に引寄せられ始めた
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