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序章
世は戦国
名だたる武将が、まだ世に力を示す前
朝廷が崩れ、武士が権力を握りつつある時代
乱世
彼は遠く陸奥の国に在りて、
世の流れの事は耳に届いていたが、
余りに遠い地の為、把握し難い
しかも彼はまだ幼く、乱世の意味も解らなかった
彼は陸奥の国、豪族の次男に生まれた
近隣の豪族とのいざかいは常であったが、自分の国が好きだった
若い彼は今を生きていた
父が統治するこの地で、日々勉学に励み、剣の腕を磨いていた
万全と己の未来を描き、
この歳の男子が持つ夢を、彼も心に抱いている
彼の名は、南部一五丸(いちごまる)
まだ元服していない十一歳である
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