桜妃

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深夜、そっと床を抜ける。 陛下は、、、お兄様は私を愛してなどいない。 幼くして母を失った私を唯一の理解者として、その見返りを与えているだけ。 私を愛していると思いたいだけ。 可哀想なお兄様は人を愛する事が出来ない。 窓越しに空に祈る。 彰様、、、貴方様の願い通り、妾は生きて後宮にとどまりました。 ついに、お兄様が新帝となられ、敵は幽閉されました。 少しはお恨みが晴れたでしょうか。 あの日、、、どのようなお気持ちでおられたのでしょうか。 お兄様は貴方と正々堂々と闘うおつもりでした。 中宮様の動きに気づいた時には、既に刺客が放たれた後だったのです。 「、、、っ。陛下、、、。」 急なめまいに襲われる。 「、、、桜妃。どうした。桜妃。」 内官がかけつける。 「陛下、いかがなされました。」 「内医をここへ。」 「は。」 「しっかりするんだ。」 「彰、、、様。」 「桜妃。桜妃。」
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