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俺の想い人が実の兄ってことだけは伏せて、今の現状を話した。 少し眉を寄せ耳を傾けていた透だが、聞き終わると何を迷う必要あるのさとでもいうように、軽く口を開いた 「無理矢理自分のモンにしちゃえばいいじゃん」 カっとなった そんなことは俺も考えた。 でも他人じゃないんだ 何も知らない癖にと叫ぶ前に透がそれより早く口を挟む 聞いた声に思考が停止した。 「雪美(ゆきはる)さんでしょ」 動揺する気配は微塵もなく、淡々と言う。 「……っ」 びっくりして声も出せない俺の瞳を真っ直ぐ見て続ける 「目、見たら分かるよ。俺をみくびんなって」 お兄さん綺麗だもんな、なんてなんでもないことのように笑う。 確かに透を鋭いし勘のいい奴だとは思っていたが、今まで誰にもバレたことがなかったこの気持ちさえ見抜いていたとは、一体何処まで見透かしているのだろうか……少しその瞳が怖く思えた。
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