1、夢に破れて

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『あなたの声は コンクールには向かないわ』 分かってはいた。 前から薄々気が付いていた事だ。 でも、慕っている先生からキッパリ言われる辛さは、想像を絶するものだった。 先生が何か慰めるように言っているけれど、もうあたしの耳には届かない。 母の好きだったアヴェマリア それをいつかステージで歌いたかった。 お母さん、ごめんなさい…… 花乃(かの)は、お母さんとした最後の約束を、守れそうに有りません……
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