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「別に優に家事をやってもらおうとは思ってないから安心しろ」
「・・・でも」
「メシ以外の家事は、組のもんが勝手にやってる」
「組の人?」
「あぁ」
この部屋がホテル並に綺麗な理由がわかった。
「お前は何もしなくていい。俺のそばにいてくれれば、それでいい」
そう言うと京さんは後ろから私を抱きしめた。
背中から伝わる京さんの温もりは、やはり心地よい。
「私、料理以外だったらできるよ?」
一緒に住まわせてもらってる上に、何もしないのは少し気が引ける。
そして1つ気がかりな事が・・・。
そう思い京さんに伝えた。
「無理はしなくてもいい」
「無理はしてないよ?これでも私、一人で生活していたし。ここまで綺麗には出来ないかもしれないけど・・・。京さんがいいならやらせて欲しい!」
「わかった。助かる」
京さんは私の提案を受け入れてくれた。
私は安堵した。
さすがに自分の洗濯は自分でやりたい。
京さんと話し合った結果、掃除・洗濯は私がする事に。
食事は外で済ますか、簡単な物は私が作る事になった。
「優の手料理か。楽しみだな」
「いや!期待はしないで!ちゃんと食べれる物は作るつもりだけど、本当に簡単な物しか作れないから・・・」
「あぁ」
柔らかい笑顔を浮かべる京さん。
その表情に鼓動が高まる。
一気にここで一緒に生活をするという実感が湧いてきた。
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