エピソード3

67/78
3174人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
「別に優に家事をやってもらおうとは思ってないから安心しろ」 「・・・でも」 「メシ以外の家事は、組のもんが勝手にやってる」 「組の人?」 「あぁ」 この部屋がホテル並に綺麗な理由がわかった。 「お前は何もしなくていい。俺のそばにいてくれれば、それでいい」 そう言うと京さんは後ろから私を抱きしめた。 背中から伝わる京さんの温もりは、やはり心地よい。 「私、料理以外だったらできるよ?」 一緒に住まわせてもらってる上に、何もしないのは少し気が引ける。 そして1つ気がかりな事が・・・。 そう思い京さんに伝えた。 「無理はしなくてもいい」 「無理はしてないよ?これでも私、一人で生活していたし。ここまで綺麗には出来ないかもしれないけど・・・。京さんがいいならやらせて欲しい!」 「わかった。助かる」 京さんは私の提案を受け入れてくれた。 私は安堵した。 さすがに自分の洗濯は自分でやりたい。 京さんと話し合った結果、掃除・洗濯は私がする事に。 食事は外で済ますか、簡単な物は私が作る事になった。 「優の手料理か。楽しみだな」 「いや!期待はしないで!ちゃんと食べれる物は作るつもりだけど、本当に簡単な物しか作れないから・・・」 「あぁ」 柔らかい笑顔を浮かべる京さん。 その表情に鼓動が高まる。 一気にここで一緒に生活をするという実感が湧いてきた。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!