第1章

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切り傷だらけになりうずくまる男たちを無邪気な笑顔を浮かべながら眺める雅。 男たちは傷を押さえながら恨めしそうに雅を睨み付けている。 「貴様ぁ…!」 「んぅ?なんも言わずに攻撃してくるおじさんたちが悪いんでしょー?」 「お、おじさん!?」 いきり立った男たちが呻くような声を上げるが可愛らしく首を傾げた。 呼び方にショックを受けている男たちにますます首を傾げるがどうでもよくなり踵を返して歩き出す。 道中、出した家宝をもう一度優しくしっかりと布で包み直してから背負う。 「もー…せっかく良い気分だったのにぃ…」 せっかくの良い気分を壊され雅はプンスカ怒りながらトテトテと歩みを進めていく。 しばらく歩いていると再び感じる視線。唇をとがらせながら無視する。 無視されているからなのか、だんだん鋭くなる視線にため息を吐き出した。 それでも無視して歩いていると街の外れまで来た。ホッと一息ついた雅は後ろを振り返りげんなりした。
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