嫌われても守りたいものがあるです

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次の日の朝、この洞窟に新しいお客がやって来た。 オレやペロには知らされていなかったが朝食用の皿が人数分用意されていたことからロースは知っていたみたいだ。 「バジル、ペロ、朝食前に彼女を紹介するです。彼女は『龍人』のマーリン。バジルの魔具を解除するために遠くから来てもらったです。」 龍人とはドラゴニュートなどと同じドラゴン系の亜人種の一種だ。 角や鱗などのドラゴンの特徴を持つ人間と言えば想像しやすいだろう。 その鱗の色は住む場所に大きく影響を受ける。 火山地帯では赤、水辺なら青といった具合なのだが目の前にいる彼女の鱗は白に近い銀色というのが近いだろうか。 珍しい色をした鱗に気を取られている間に隣にいたペロが挨拶をし始めた。 「マーリン、はじめましてニャ。ペロって呼んで欲しいニャ。バカバジルの事をよろしくお願いしますニャ。」 「ちょっと待て!!!誰がバカだ、誰が!!!まったく、………改めてバジルだ。その、よろしく頼む。」 「ふふっ、二人は仲が良いだの。ワシは先程、シャルルが紹介してくれたが龍人のマーリンというだの。」 彼女の聞き慣れない『だの』という語尾に『龍人とは皆、こういう喋り方なのか?』と妙な事が気になったが口にはしなかった。 「バジル、朝食後に場所を変えていくつか質問があるだの。あと、魔具を埋め込まれた場所の確認もしたいだの。」 「あぁ、解った。」 「じゃあ、自己紹介も終わったみたいなんでみんなで朝ご飯にするです。」 シャルルの合図でテーブルにロースの料理が並び朝食が始まった。
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