優しくされた透明人間

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 僕は大学四回生である。22歳になっても、僕は孤独で無個性の人間だ。  大学では苛めを受けている。大学になっても、人のやることに変りはない。自分より弱い存在が居たら傷つけたくなる生き物だ。  僕という存在は無透明な色彩だ。誰からも愛情を受けない。親にでさえ見放された。  両親は僕が小学生の頃、夫々ほかの人と不倫し、離婚した。僕は父方の叔父に引き取られた。その叔父も高校生の時に他界してしまった。  講義を受けると、決まって僕は透明人間扱いされる、居ない人間として扱われる。苛めグループは僕に様々な事をやる。昨日は背中をカッターで切り裂かれた。周りの人間はただ傍観するだけだ。面白がっている者と、自分が傷つきたくない者。その二つだろう。だがいい、関係ない。彼らは僕の人生には必要ない人間だ。
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