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背後から声が聞こえ、くるっと振り返る。
「あっ、ツバサさん。 お疲れ様です!!」
ツバサとは、アイズのギタリスト。
路上ライブでも演奏していた人物だ。
今日も、ツバサのピックを手に入れた。
ツバサは、私が振り返った姿を見て、駆け寄って来る。
「今日も、ありがとうございました。 もう、帰るんですか?」
ツバサは、高校1年生。
私が成人していると知ってから、敬語を使うようになった。
私が彼らを年上だと思ったように、彼らも私を社会人だと思わなかったらしい。
『私、顔うっすいからなぁ…。』
でも、ロリータのお洋服を着るには丁度良いと、吹っ切れていた。
「…最後まで居たいんですけど、1人は苦手で。」
ツバサは、アキたちがバスで帰っていることも知っている。
そして、私たちが、最後までライブに居ないことも知っている筈だ。
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