日常

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そうそう。 話を戻して。 この男、南井恭平には、誰も逆らえないような威圧感と実績という武器がある。 現に、課長や部長までもが奴には何も言わない。 営業チーフという座を勝ち取った奴には、補佐についた誰しもが1週間以内で辞めていくという呪いがかけられる。 その呪いを払拭してほしいと、上からの命令で逆らえずに、営業課に異動になったのが2年前の話。 …いや。本当は、南井恭平という男には、仕事の負担を軽減させるために補佐を付け仕事の効率を上げていくのが普通だが。 奴が鬼だから。怖がって皆が辞めていく。 だから、無心(?)の私の話を聞き付けた上層部が直々に話を持ち掛けた。 1週間毎日頭を下げられたら、こっちだって多少は申し訳なくなる。 だから話をお受けした。
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