ep.5 うるさい奴には、お醤油を

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──ちゃ……── ──も……ちゃ── 脳裏に響くこの声はなんだ? ──もちちゃ── ──おもちちゃ── 次第にでかくなる。 そして、何かの角で頭を叩かれ意識を取り戻した。 「お餅ちゃん!起きろって言ったのにさー。起きないからさー」 声の主はぐみだったらしい。 「おいこらお餅。授業中はなるべく伏せるな。気持ちはわからんでもないが気を付けろ」 せっちゃんはもう一度俺の頭を教科書でコツンと叩いたあと、教卓に戻っていった。 「全く起きろよなーお餅ちゃん」 ぐみはそう言って、ノートを取り始めた。 世界史の授業中に寝てしまっていたのか。 大きな欠伸をして前を向いた。 何か凄くもやもやする。 確か面白い夢を見ていたような……。 まぁいっか。 何も思い出せないままノートを取り始める。 「お餅ちゃんお餅ちゃん!これ見てうまくね?」 ぐみは、ノートのはしっこに描いたうんこの絵を見せてきた。 「お前頭の中うんこしかねーのかっ!」 「お餅!」 教科書を片手に持ち、せっちゃんが叫ぶ。 「うんことか言ってんなお餅。そんな腹痛いならトイレ許可するぞ」 教室中笑いに包まれ空気が和むと、再び授業が再開された。 やはり、いつも見る普通の日常であった。
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