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今の状態で他の人をそんな目で見るなんてどうかしている。
ザブンっと湯船に浸かる。
昨日から自分の感情が落ち着かない。
あっちこっちとコロコロと転がって不安定だ。
大きく息を吐いた。
とにかく浩一との関係をはっきりさせないといけない…。
そう考えると無性に泣きたくなる。
浩一に会いたい。
浩一の声が聞きたい。
あの大きな手で優しく耳元で安心できる言葉を…。
そこまで思って優は何を考えているんだと自分に叱咤した。
あれだけ別れなくてはと決めたのに…。
未練だらけだ。
もしかしたら会わない方がいいのかもしれない。
「自然消滅…」
そう呟いて声を殺して泣いた。
風呂から上がると山越が起きて待っていた。
時計をみるともう日付を跨いでる。
「なんで起きてるんですか!早く寝てくださいよ」
連日の疲れがあることくらい分かる。
しかも自分に気を使っているのだから余計だ。
だからベッドでゆっくり寝てほしいのに…。
「狭いけど一緒に寝ようかと思って…」
「なに考えてるんですか…」
呆れて声に力が入らない。
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