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「だって優くん布団ないじゃない」
「店長は昨日どうやって寝たんですか?交代したと思ってください」
そう言って優は押し入れからタオルケットを引っ張り出してリビングのラグに寝転んだ。
今日はたくさん寝たせいで寝付きが悪いかも…。
そう思っていると寝室の電気が消えた。
諦めて寝てくれた。
そう思って寝返りを打つ。
これから自分の身の振り方を考え、脳に叩き込んだ。
どれだけ自分のしてきたことが愚かだったか、身勝手だったか…。
夕方の由希を思い返す。
何か言いたげだった。
何を言おうとしていたのだろう…。
今になって気になる。
もしかしたら浩一が何かを話したのだろうか…。
チリっと痛む。
どっちみち自分は窮地に立たされている。
自分でしでかして、自らそこに立っているんだ。
(浩一…浩一…)
すがり付きたい。
窮地という絶壁が怖い。
自然と涙が出た。
涙腺がイカれているんだ。
鼻が詰まりだして鼻をすすった。
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