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『で…
どんな夢だったの?
また 追いかけられた?』
会社の、近所にある居酒屋で
私に、なんの相談もなく、
勝手に、生ビールを2つと、焼き鳥を注文してから
綾香は
体を乗り出して、嬉しそうに聞いてきた。
心霊話が、大好きな綾香は、私のおかしな夢の話を、いつも聞きたがる。
綾香曰わく
怖い夢を見る人間は
根本的に、霊感が強いと言う。
『そんなに同じ夢を、頻繁に見るのは、
絶対おかしいよ!!
しかも、十年間ずっとでしょ?ヤバすぎ!!』
キラキラと、目を光らせた綾香がいう。
『捕まっちゃったか~!ヤバいね!!
なんかないと、いいけど…」
「もう…止めてよ…まぢ怖いんだから…」
私の必死の抗議も、聞き入れてはもらえず、
綾香はご機嫌で話す。
「だってさ、十年だよ…
で、どんな奴だった?
ってかさ…
前に住んでた家と、きっと関係あるよね?
絶対、間違いないって!」
綾香の、言うように…
私には、霊感があるのだと思う。
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