須賀 律子 34才 元気です!

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´  僕が、彼女の名前を知らなかったのには、 店の方針があったからなんです。  そこの店のママ…… 店と言うのは、新宿の外れに在る小さなパブのことです。 客が二十人も入れば、店内は満席になり、 息苦しくなりそうな……そんな気がした店でした。 僕は未だ満席の状態を見たことはありませんけど。  その店のママが、 「名前を教えちゃダメよ。 焦らして、少しでも数多く、 お客さんの足を通わすんだからね。 あなた達は、 ママがスカウトした見込みあるホステスなんですよ。 ママは二年前まではね、 銀座であの有名ナイトクラブで、 ホステスを務めていたのですからぁ」  店の女性は常時四五人は居て、 何も知らないその女性らに、誇らしげに話していたのよと、 それは後で律子から聞かされたことでした。  何処となく妖しげなママではありましたけどね。 ´
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