《俺の彼女がこんなにヒロインな訳がない》

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「んんっ~。いい天気だねぇ」 改札を通り駅前にと下り立った俺は、冬には珍しいぽかぽかした陽気のこの青い空に向かって、鈍った身体を精一杯突き出した。 見知った駅前。遠くに目をやれば見知った商店街に見知った高校。 何度も目にして来たこの町の景色。 ここはいつもの通学路。俺とあいつが毎日のように訪れる土地。そして、 「もうちょっとで、冬休みか」 来週にはこの土地に新しい年への準備期間が、冬休みがやって来る。 先日、不覚にもインフルエンザを発症してしまった俺は、頭の回転もままならないまま、今週の平日の放課後をフルに使って行われた地獄の追試を乗り切り(流石にインフル明けのテストはキツイっしょ)、無事赤点先生もなく(赤点実習生は居たけど)この土曜日に至るのであった。 で、インドア派の俺がどうして土曜日の朝っぱらからこんな場所に赴いているのかねと申しますと。 「悪い、待ったか?」 「ううん。今さっき1間前に来たトコ」 でぅえいとらしいのです。こいつと。 え?言い方がいちいち苛つくって?リア充が死ねって? はっはっはっ、僻むな僻むな。そのうちチミ達にも恋人が出来るさ‥‥‥‥はい。調子乗りました。すんません。
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