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「………ここ、どこ?」
俺が目を開けると、なんだか真っ白な場所。しかも、なんかざわざわしてる。人の姿は見えないのに。
「だーれかー、いーませんかー?」
すると、ざわざわの中から「いるよー」とか「どこにいるー?」とか聞こえた。見えないけど。
「うーん………?」
よく、分からない。…しかし、その状況はすぐに打ち破られた。
「静粛に。今から、あなた方の運命を決める大事な行事を始めます。」
急に目の前に綺麗な人(…男と女、どっちだろ?)が現れて、そう言った。すると、周りが水を打った様に静まり返り、みんながその人の言葉を聞こうとしてるのが分かった。
「あなた方には、今から回すくじを引いてもらいます。そのうち半分が天国、半分は地獄、そして、さらに天国の半分にはもう一つの選択肢が与えられます。それを引くという事に関して、必然の方もいらっしゃいますが、ほとんどの方は運命に任せてください。はい、端から回しますから、どんどん引いてください。」
何やら箱の様なものが浮いて、中からふわふわと紙切れが出て行く。……本当にみんないるらしい。
「……俺が最後か。」
丸を描く様に人がいたらしく、ぐるぐると箱は回り、真ん中辺りにいた俺が最後だった。そして、残った紙を取ると、
「うわぁっ!落ちる!助けてくれ!」
「ひいぃ!空飛んでる!?」
という声が聞こえ、俺自身も宙に浮いた。そして、目の前に先ほどの人が現れる。
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