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赤「お話?」
桃「うん、何でもいいから!
昔話とか童話とかでもいいから!」
まるで小さな子供がお母さんにせがむようなその口調にレッドはフッと思わず口元がほころぶ
赤「…そうだな
じゃ、昔話してやるよ」
桃「うん!」
満面の笑顔で桃はレッドの続く言葉に耳を傾ける
赤(やっぱり桃は子供だな…
だが、そこが可愛い
俺も落ち着かなきゃな…)
“昔話”は平静を取り戻すいい手かもしれない――そう思いレッドはまるで子供に絵本を読んで聞かせるような、そんな気持ちで話し出す
赤「昔々―――
あるところにお爺さんとお婆さんがいました」
外は依然として雷雨が鳴り止まないがそんな音は次第に気にならなくなる
赤「お爺さんは山へ芝刈りへ
お婆さんは川へ洗濯に行きました」
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