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桃はレッドの話にじっと聞き入る
桃(……優しいテノールの声
今夜はレッドがいてくれてよかった)
心地いいレッドの声、昔話のおなじみのそのフレーズ、いつしか桃はまどろみそうに安らかな気持ちに包まれてゆく
赤「お婆さんが川で洗濯をしていると―――
川上の方から大きなサツマイモがどんぶらこ、どんぶらこと流れて来ました」
桃(………!?
サツマイモ!?…………)
赤「それを見たお婆さんは興奮のあまり、一発、ブッ………
お爺さんは草を刈らずに、
クサかった!!
……………クッ、ははは!
何度話してもおもしろい…!
自分で言ってて笑けるぜ
なっ!?桃、どうだ、おもしろいだろう、この“桃太郎”!!
……いや“桃太郎”ですらないな……
ありゃっ!?」
桃はいつしかまぶたを閉じ規則的に寝息を立てていた
桃「スゥ……スゥ……」
赤「なんだ、寝てたのか……
フッ……子供だよな、コイツ……」
レッドはそのあどけない寝顔を見下ろし額にかかる前髪をそっと梳いてやる
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