epilogue

4/12
15033人が本棚に入れています
本棚に追加
/730ページ
  「ここにいるのは最上級生のなかでも特に選ばれたメンバーだ。Sクラスに入れたからといって気を抜けば一気に足元掬われるぞ」 最後の学年は成績順にクラスを別けられる。 俺とキリヤとカイトは皆一緒にSクラスに入ることができた。カイトは勉強すごい頑張ってたなあ。それはもう死に物狂いで2年の最後の方は勉強してたっけ。 実技は問題なかったけど、カイトを引っ張ってきたのは言わずもがなキリヤのおかげだ。俺も少しは手伝ったけど。 リンとアヤノも同じクラスだ。 残念ながらチカとカナミはAクラス。だけど隣のクラスだからってカイトはすぐに元気になってた。 俺達は着々と卒業に向けての準備を始めていた。進路相談、なんてのも始まって。 もうすぐ、1年が経つ。 ハズキがいなくなってから。 あれ以来、その話題はタブーとなった。 皆、なかったことにするフリをするのが上手かった。“ハズキ”の単語すら、しばらく聞いていない。 俺のなかではどうしても、なかったことになんか出来ないのに。 カイトもキリヤも凄いね。不自然なくらい笑顔が多くなった。今でこそやっと自然なくらいに落ち着いたけど、一番辛かったのは2人だろう。 それでも笑っていられるなんて。
/730ページ

最初のコメントを投稿しよう!