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「ここにいるのは最上級生のなかでも特に選ばれたメンバーだ。Sクラスに入れたからといって気を抜けば一気に足元掬われるぞ」
最後の学年は成績順にクラスを別けられる。
俺とキリヤとカイトは皆一緒にSクラスに入ることができた。カイトは勉強すごい頑張ってたなあ。それはもう死に物狂いで2年の最後の方は勉強してたっけ。
実技は問題なかったけど、カイトを引っ張ってきたのは言わずもがなキリヤのおかげだ。俺も少しは手伝ったけど。
リンとアヤノも同じクラスだ。
残念ながらチカとカナミはAクラス。だけど隣のクラスだからってカイトはすぐに元気になってた。
俺達は着々と卒業に向けての準備を始めていた。進路相談、なんてのも始まって。
もうすぐ、1年が経つ。
ハズキがいなくなってから。
あれ以来、その話題はタブーとなった。
皆、なかったことにするフリをするのが上手かった。“ハズキ”の単語すら、しばらく聞いていない。
俺のなかではどうしても、なかったことになんか出来ないのに。
カイトもキリヤも凄いね。不自然なくらい笑顔が多くなった。今でこそやっと自然なくらいに落ち着いたけど、一番辛かったのは2人だろう。
それでも笑っていられるなんて。
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