夏休み、旅行に行きました。

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集合場所に着くと、みなたんがもう先に着いていた。 「あーーー!あさたん!こっちこっち!」 「みなたーーん!久しぶりぃー!!」 そう言って俺たちはぎゅうぅっと抱きしめ合った。 「会いたかった、あさたん!」 「俺も!みなたん!!」 「あさたん…!」 「みなたん…!」 もう1度みなたんにぎゅうっと抱き付こうとしたところで、後ろからバリッと引き離された。 「麻斗、柏木にくっつき過ぎだ…。」 あ、やばい。調子乗りすぎた。 瑛介の顔が般若みたいになってる。 「ご、ごめん…。テンションあがっちゃってさ…。」 あはは、と苦笑いで瑛介に弁明していると、みなたんがずんずんと瑛介の前まで歩み寄る。 「もう、真中くん。僕とあさたんの感動の再会シーン邪魔しないでよね。」 せっかくの久しぶりのあさたんなのに!! と、プンプンと怒りながらみなたんは瑛介を見上げていた。 ら、 みなたんがふわりと地面から浮かび上がった。 「…湊人さん。私もいい加減怒りますよ?」 「え!?ちょ…離せ!降ろせ!」 少し呆れ顔でみなたんを持ち上げていたのは、みなたんのダーリンさんで。 「真中くんも、すみませんね。」 「え、あ、い、いや…。」 そう、ダーリンさんは謝ると、みなたんを持ち上げたまま、少し離れたところに歩いて行った。 「…なぁ。麻斗。一つ聞いて良いか?」 「うん?なに??」 「……なんで、数学の氷川先生が柏木を抱えてるんだ?」 「それは、みなたんのダーリンさんだからでーす。」 「…氷川先生が?」 「氷川先生が。」 「授業中何があっても表情筋が動かない氷川先生が?」 「表情筋が動かない氷川先生が。」 「毎回何考えてるかわからないけど、授業が鬼畜な氷川先生が?」 「鬼畜な氷川先生が。」 「…柏木の、恋人?」 「ザッツライト。」 「…聞こえてますよ二人とも。いい加減にしなさい。」
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