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冬、幻想郷
肌寒い風が頬を掠める季節。
「………。」
一匹の妖精は湖の畔、その時を待っていた。
そう、友と再会する時を
湖に靄が立ち込める
「…久しぶりね、チルノ」
靄の中現れた女性は少女に微笑みかけた。
「…久しぶり、レティ」
少女もその姿を見て微笑み返した
「およそ一年ぶりだね」
「そりゃそうよ、冬は一年に一回だもの」
「あたいが本気になれば年中冬にだってできるわ」
「嬉しいけどそれじゃあ冬のありがたみが無くなっちゃうわね」
「冬のありがたみ?」
チルノは首を傾げる
「そう、冬のありがたみ
私たち冬の存在があるからこそ春の存在が強調される。チルノも桜の木、好きでしょ?」
「…でも冬が終わればレティはまたどこかにいってしまうよ」
「季節は巡る、冬だってまたやってくるわ」
笑うレティ
「………。」
黙りこくるチルノ
「ねぇチルノ、私達の出会った日を覚えてる?」
微笑むレティはチルノに寄り添う。
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