21.おかえりと始まり

23/24
2006人が本棚に入れています
本棚に追加
/749ページ
「え、え……なに急に!」 「ごめん。こうでもしないと納得してくれない気がして」 「ビックリしたじゃない! 不意打ちすぎ!」 「悪かった悪かった。謝るから怒らないでくれ」  予想に反して慌てふためくリアクションが返ってくる。頬を真っ赤に染める反応が。 「とりあえず納得してくれた? 華恋の事が一番大事だって」 「ま、まぁ……うん。好きでいてくれてるんだなぁっていうのは伝わった」 「なら良かった」  心の中には照れ臭さが充満。ついでに清々しい達成感も。 「良い思い出が出来たかな。雅人とのファーストキス…」 「え? 華恋からしてきた事は何度かあるから初めてではないよね?」 「うぅん、初めてだよ。今までのは全部練習だから」 「……凄い自分勝手な理屈」 「えへへ…」  彼女が人差し指を口元に移動。今のやり取りを想起するように何度も触れていた。
/749ページ

最初のコメントを投稿しよう!