Ⅰ カニバリズム ――愛を貪る話

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いつものように終電に駆け込み、 目的の駅に着くまで泥のように眠ってしまっていた。 仕事場と家との往復の日々をどれだけの間、繰り返しているのだろうか。 自分は、この作業になんの疑問も抱かなくなってしまった。 あとどれだけの時間、このようにして生きていかなければならないのだろうか。 いっそのこと今自分が存在しているこの世界が崩壊して 跡形もなく消え去ってしまえばいい。 そうとさえ思っていた。 こんな世界でこのまま生きていたって 何も得られない。
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