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Loading2 -------------------------- ----------------- 後ろのドアがしまる音がすると、耳に何かのざわめきが聞こえてきた。 ふらふらと音のする方へ歩いていくと、いつの間にかまわりは昔よく使った駅の構内になっていた。 「清宿駅(しんじゅくえき)…」 場違いな懐かしさを覚えながら辺りと見ていると、近くにいた駅員のような恰好をした女性が私に声をかけてきた。 「ようこそ、secret GARDENへ。初心者かな?」 (なに?なに??) 久しぶりに家族以外の人と話すことに驚いて視線を彷徨わせていると、その不審な様子を気にも留めていないかのように、駅員らしき女性はにこにこと話す。 「初心者なのはすぐにわかりますよ。素手で『パス』を持つ人はだいたい初心者ですからね」 「ぱ…パス…?」 訳がわからないでいると、女性はにこにこと私の携帯電話を指した。 「こちらの世界ではパスが財布となり、身分証となり、交通券でも“鍵のコード”を読み取る機械にもなります。絶対なくさないようにしてくださいね」 そういうと女性は「初心者はまず総合案内所へいくといいですよ」と笑顔で言い、少し先の案内板を指差した。 指し示す方向にとりあえず足をむけながら軽く会釈すると、女性はにこにこと被っていた帽子のつばに軽く手を添えた。 総合案内所は昔の記憶にあったものよりも遥かに大きく、ちょっとしたスーパーのようなサイズで作られていた。 ガラス張りの外側から中の様子を見てみると、そこには多くの色々な年齢層の人や人種が、上に設置されている掲示板を見ていたり、窓口のようなところでさっきの女性のような恰好をした人達と向き合うような恰好で話していたり、数人で話していたりしている姿が見える。 その案内所の入り口には電子掲示板が置いてあり、「初心者」「クエスト」「日替わり」「緊急」「討伐」など色々な内容のものに、何番カウンターやら何番掲示板やらかかれていた。 (意味がわからない…)
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