20948人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
「手酌でいいって」
一瞬、鬱陶しげな顔をしながらも戸川はグラスをこっちに差し出した。
その向こう側では由里ちゃんがすんごい形相で相原君を睨みつけている。
成瀬ちゃん、安心して。
今日は相原君がとことんジャマしてあげるよ。
しこたま飲まされて、あの爪に戸川っちがお持ち帰りされたら大変だから。
戸川に限って、まずありえないけどね。
しかし。
一杯目は俺が強引にもぎ取ったけど、二杯目からは由里ちゃんも必死だった。
戸川の徹底無視にも怯まず、しきりにベタベタ触りながら二人きりの話題に持っていこうとする。
そうはさせじと始終戸川っちにまとわりついてやると、ついに由里ちゃんはイライラを爆発させた。
最初のコメントを投稿しよう!