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しばしの休戦中、ビールをのんびり飲んでいると、トイレに行く重鎮様に運悪く見つかった。
「おら相原!なにこんな隅っこで飲んでんのよ。お酌しに来い」
俺の横にドスンと腰を下ろして、あぐらをかくのは重鎮様の中でもリーダー格の美香先輩だ。
完全に目が据わっている。
「あの……美香先輩。失礼ですけどスカートの中が見えてま──」
「この変態野郎が」
分厚いメニューが相原君の脳天にバコンと打ち下ろされた。
「お姉様のパンツ覗くなんて百万年早いんだよ」
戸川の前だから、わざわざパンツって言葉を避けてあげたのに。
「見ないで済むなら見たくなかっ……あっ、すみません」
重鎮様の広がった鼻腔にビビって謝ってる横で、由里ちゃんがまた不穏な会話を始めている。
「あの人の家に行ったの、崎田先輩から聞いて知ってるんだから!付き合ってるんですか?」
「……」
戸川は無言だ。
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