相原君の戸川っち観察日記②

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しばしの休戦中、ビールをのんびり飲んでいると、トイレに行く重鎮様に運悪く見つかった。 「おら相原!なにこんな隅っこで飲んでんのよ。お酌しに来い」 俺の横にドスンと腰を下ろして、あぐらをかくのは重鎮様の中でもリーダー格の美香先輩だ。 完全に目が据わっている。 「あの……美香先輩。失礼ですけどスカートの中が見えてま──」 「この変態野郎が」 分厚いメニューが相原君の脳天にバコンと打ち下ろされた。 「お姉様のパンツ覗くなんて百万年早いんだよ」 戸川の前だから、わざわざパンツって言葉を避けてあげたのに。 「見ないで済むなら見たくなかっ……あっ、すみません」 重鎮様の広がった鼻腔にビビって謝ってる横で、由里ちゃんがまた不穏な会話を始めている。 「あの人の家に行ったの、崎田先輩から聞いて知ってるんだから!付き合ってるんですか?」 「……」 戸川は無言だ。
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