Chronicle‐Ⅰ 発端

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『私はこの狭い中洲でグループの中でも1番外部に隣接する”防波堤”が職場です。 外部との均衡とバランスを保つ為に、うちのグループの立場をよくする為に私は立ち回っている、この仕事は思っているほどロジックじゃないんですから。 言うまでもないが私はグループの為に手を汚してきたがグループを失墜させる為の仕事などやった事はありません。』 すると本部長が、 『お前の言う均衡とバランスとはフェニックスグループの看板を預かる事を言っているのか?』 せいじさんとの話からまだ24時間も経過していない、明らかに”S”がいたとしか説明がつかない状況だ。 しかしあの時、店内には一般客はいなかった。 と、言う事はうちの関係者も店内にいなかったと言う事でもある。 むろんせいじさんサイドからの漏洩、もしくはフィリピン・パブの関係者からの漏洩であれば説明的にも簡単ではあるが、契約が済むまで公にするデメリットの大きさからも現実味がない。 フェニックスグループへの内通者で俺を快く思ってない奴が身内にいる、哀しいかなこの結論に達するまで時間はかからなかった。
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