番長になりたかった男

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俺の名前は、剛田たけし。 青明高校一年E組だ。 E組といえば目つきの悪いゴロツキ共のあつまり。 他クラスからは煙たがられ、教師たちもなかなか寄ってこない。 まさに学校の汚点のようなもの。 そんなE組だが、俺にはそこでしか叶えられない夢があった。 E組のトップに立つものは尊敬の目を向けられ、皆から 番長 と呼ばれる。 俺もいつかは........ そう思い、拳を振るった日々。 まずは一年番長の座に着きたくて、毎日喧嘩に明け暮れた。 「.......負けたぜ、剛田.....!」 満身創痍になりながらも、同じE組でライバルのアフロと決着がついたのはつい先日のこと。 負けたにも関わらず清々しい顔で俺を見上げるアフロ。 その表情を見た瞬間 ああ、俺はようやく一年番長の座に着いたんだと実感する。 やっと、やっと........。 長い道のりだった。 入学したての時は、皆自分より強そうに見えて内心不安だったものだ。 でも夢のため、番長になるために俺は諦めなかった。 他校でも有名な青明高校E組。 沸き上がる歓喜。 これからどんな楽しい喧嘩人生をおくってやろうか。 実力で勝ちとったもの。 俺の下には信頼できる仲間たち。 俺はようやくその地位についた。 なのに なのに.........っ
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