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「(あれって、こういうことだったんだ。)」
俺はさくらさんの肩口からこっそりサキの様子を見て納得した。
生徒会と俺を天秤にかける・・・か・・・。
(俺にはもったいない。)
「誰だ。」
さくらさんの影に隠れながら様子をうかがう。多分バレてないと思う。さくらさん大きいし。
「お初にお目にかかる、俺は風紀委員長の葵さくら。」
「ボクは風紀委員の櫟光夜です。よろしく。」
す、すごい。さくらさんもみつやさんのあの総隊長の威圧感をものともしてない。さすが風紀委員・・・無敵?
「風紀委員・・・?ほぉ・・・」
総隊長はさくらさんを見て片方の眉を上げた。
「・・・・・で?」
総隊長はたっぷりの沈黙を置いて、冷ややかな視線をさくらさんに送った。対してさくらさんは顔は見えないけど、多分余裕の表情だと思う。
「質問を受け付けよう。」
「・・・・・・では、その後ろの彼との関係は?一応生徒会のはずだが。」
バレてる。
「雨の日に拾った。」
「・・・・・・・・では、なぜここに。」
「親衛隊に協力要請をするために。」
「・・・・・・・・・わけが分からんがどうでもいい。他に質問したい人は質問しなさい。」
うん。俺にもさくらさんが何を言っているのかよくわからなかった。いつものことだけど。
総隊長の発言で親衛隊員達がざわめき出す。徐々にざわめきが大きくなっていく。
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