2142人が本棚に入れています
本棚に追加
/196ページ
ずっと苦しかった。生徒会も好き。親衛隊も好き。でも親衛隊は生徒会が嫌い。生徒会は俺のことが嫌い。まさに針のむしろという感じだなと、嘲笑的に笑いがこみ上げてくる。でも自分から生徒会を捨てることなんてできない。でも親衛隊も好きだ。だから本当は会いたいとも仲良くしたいとも思ってはいけないのに、なかなか捨てることができない。
きっかけがほしい。
だから嫌ってくれたら良い。捨ててくれたら良い。名一杯仕返しをしてくれたら良い。傷つけてくれたら良い。その方がずっと楽になれる。生ぬるい状態でいるほうがよっぽど辛い。希望を持ち続けるほうがよっぽど辛い。
その為にも、もっともっと堕ちる様に騙して利用して裏切ろう。それに生徒会も手伝ってもらえるし、一石二鳥?
・・・最低だ。
そんなことを考える頭にぽんと何かが乗っかった。目線を上げると、みつやさんが見えた。どうやらみつやさんの手が乗っているらしい。みつやさんはなんとも言えないような顔をしていた。何かを言いかけて言いよどんでいるようだ。
その代わりなのかさくらさんが口を開いた。
「そんなふうに考えないほうが良い。自己破壊じゃ毒は抜けない。別の方法で解毒していかないと毒がどんどん溜まっていくぞ。」
「・・・・・。」
「それに・・・これは向こうのためでもある。だからお前の考えているように自分を“いじめる”ことはできないぞ」
言っていることはよくわからなかったが、さくらさんはニヤリと笑っていた。
###
最初のコメントを投稿しよう!