12章 情けなくてしゅみましぇん…

2/25
5237人が本棚に入れています
本棚に追加
/349ページ
ぐだぐだの試合の後ずっと気落ちしていた光は完全無視(と言ってもハーレムズが慰めていた)して一日経った今日は授業が休み。 振り返ればこの世界に来てからというもの、これまで激動の日々が続いていたので久々にゆっくりしようと思い自室のリビングのソファーで寝転がりながら寛いでいる。 長い髪もほどいて寝間着の灰色のスウェットのままうつ伏せの状態で足をぱたぱたとさせながら最近凝っている新しい魔法の開発のためのアイディアを探すためにさまざまな属性の魔導書をペラペラと読み漁っていく。 やっぱりゼロから考案した魔法は魔力の安定性に欠けるということを知ったので、ある程度完成されたものからヒントを得て開発することにした。 カチャカチャと音を立ててキッチンのシンクで朝食の食器を洗っているサイスもいちいち着替えるのが面倒なのか起きて一時間は経つのにも関わらずまだ上下黒のスウェットだ。 ちなみに毎日ちゃんと洗っているからね?替えの同じ服を交互に着ているだけだから。いま不潔とか思ったそこのあなた!私は清潔ですよ! 「ユウキもコーヒーいるかー?」 一通り洗い終えたサイスがキッチン越しに聞いてくる。 「あ、いるー。砂糖4杯にミルク多めねー?」 「甘党だな……」 失敬な!甘党の何が悪いのかな? でも女の体になってから男だった時に何とかカッコつけて飲んでたブラックのコーヒーも少し口に付けただけで「うぇぇ……」と苦味に耐えられなくなってしまった。 今ではだいぶ甘いものに対してかなり美味しさを感じるようになってしまったしね。 ケーキ食べたい……。 「これから街に出掛けるが何か買ってきて欲しいものとかあるか?」 そういつの間にか見上げた所にいたサイスがコーヒーの入ったマグカップを両手に持ちながら尋ねてくる。 ん?待てよ……。 サイスに付いていくと必然的にお昼の時間は過ぎるから昼は外で食べるとして、その後は……デザート!? 「はいはい!私も行きたい!」 「うぉう!?急にどうした!」 デザートに懸ける情熱は誰にも負けない!
/349ページ

最初のコメントを投稿しよう!