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第5章
「トリーナ様~もう帰りましょ~よ~」
侍女が、ぐったりしながら言いました。
「もう少し、もう少しだけ、シンギが出て来るまで…」
トリーナ姫は、なんと! シンギが仕事を終わらせて、出て来るまで張っているつもりです。
……なんという執念でしょう。
「せめて、近くのカフェにいきましょうよ」
侍女は近くの植え込みから、ずーと飽きもせず張っているトリーナ姫をうながします。
「もう少しだけ…もう少しだけ…」
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