第五章 天狗の真意

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             弍    洋輔の攻撃。  河太郎の仕込み槍を、極限まで伸ばす突きを放つも、天狗には上空で簡単に避けられてしまう。  一方、天狗の攻撃。  神通力を使い、洋輔の体勢を崩して刀で切り付けるが、体勢を崩しきれずに避けられてしまう。  風を呼び。  雷を落とし。  大地を揺るがせ。  火の粉を降らす。  そのどれもが、威力が弱い為に天狗を苛立たせる。天狗にしてみれば、神通力だけで洋輔を動けなくする、それほどの威力のつもりで放っている。  火の粉などは、火球を降らせるつもりで放っているのだ。  互いに、決め手が無い。  神奈は、未だ包丁の九十九神相手に苦戦中。  どうやら、それを封じる武具が尽きたようだ。  全てが、ギリギリのせめぎ合い。  ちょっとした状況の変化で、戦闘の有利不利はどちらにでも転び、一気に決着までもつれ込む。  それは、互いに理解している。 「僕としては、敷島の刀ってとこか。実際には、刀ってより次郎丸が援軍に来る事だけど」  次郎丸の援軍。
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