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戦いにおいて、得手不得手はある。
だが、武具を使い変幻自在の戦いをする折原 洋輔を相手に、武具を持たないなど愚かであろう。
ましてや、巨大化すれば一瞬で倒せるかもしれないのにだ。
『無手で、倒せるか?』
「どうでしょうな。倒せそうも無ければ、巨大化し踏み潰せばいいだけの事。何にしても、負ける事などありますまい」
確かに、それもそうだと側近たちも納得する。
だが何よりも、鏡に映し出された戦闘の様子を見る限り、天狗は負けてなどいない。
天狗は、勝てないのか。
そして、側近たちとしては天狗とは側近の一体であり、おいそれと負ける訳も無いと信じ、勝って欲しいと願っていた。
土蜘蛛は、その為に新たな妖でも、より力を持つ者を送り込んだのだ。
一同は、鏡を見詰めた。
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