第五章 天狗の真意

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   戦いにおいて、得手不得手はある。  だが、武具を使い変幻自在の戦いをする折原 洋輔を相手に、武具を持たないなど愚かであろう。  ましてや、巨大化すれば一瞬で倒せるかもしれないのにだ。 『無手で、倒せるか?』 「どうでしょうな。倒せそうも無ければ、巨大化し踏み潰せばいいだけの事。何にしても、負ける事などありますまい」  確かに、それもそうだと側近たちも納得する。  だが何よりも、鏡に映し出された戦闘の様子を見る限り、天狗は負けてなどいない。  天狗は、勝てないのか。  そして、側近たちとしては天狗とは側近の一体であり、おいそれと負ける訳も無いと信じ、勝って欲しいと願っていた。  土蜘蛛は、その為に新たな妖でも、より力を持つ者を送り込んだのだ。  一同は、鏡を見詰めた。      
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