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―「んじゃ、行ってきます。」
「は~い、行ってらっしゃい!報告楽しみにして待ってるからね―!」
―…そんなに毎日聞きたい事なのか?これだからうちの姉の頭ん中は分からない。
小さくため息をこぼして学校までの通学路をのそのそ歩く。―ちなみに亮は生徒会の仕事でいつも先に家を出ている。
そのまま携帯を弄りながら歩いて行き角を曲がろうとした時、ピタリと足を止める。
―うぅ……。そういえばここで見た…んだよな。
ゾクッときた悪寒に身を震わせて、恐る恐る見てしまった場所を見る。
「あ……。」
そこには昨日と同じように不審な行動をしている男が居た。しかも同じ制服。
―き、昨日の奴か?そうだよな、うんきっとそうだ。だって同じ行動しているし。大体、俺別に霊感とか無いからアレが見えるはず無いし、アイツ同じ制服着てるし、そう…身長デカい多分先輩辺りだろう。
まとまらない頭を必死に回しながら現状を把握しようとする。
そいつはおそらく赤髪不良よりデカいが身体は少し細く、色の薄い茶髪に白いフレームメガネをかけている気の弱そうな感じの男だ。
そしてやはり昨日と同じように顔を上下に動かしている。
―…アイツ、なんか探してるのか?
そう思いついた俺は生死の確認も含め、そいつに近づき勇気を出し声をかける。
「あの……なんか落としたんスか?」
「ッ!!?!?」
軽く声をかけたら、ギャグマンガ並みのリアクションを取られた。―コイツおもいっきりずっこけたが大丈夫か?
「ぅあ……!……き、昨日の…!?……………ぁの…―「ん?」…ひぃ!」
―…ここまで人に恐がられたのは初めてだ。地味にショックなんだが(泣)
どうしようかと頭をガシガシとかいていると目の前にいるそいつがいきなり正座をして
「す、すみませんでした―――――!!」
からの土下座。
―いや……なんで?
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