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「んじゃあ、邪魔者は退散しますかぁ」
「あ、間宮先生、輝君の部屋あそこです」
「あー眠ぃ。甘いもん食いてぇ。何かおごってくれ四ノ宮」
それぞれ勝手なことを言いつつ、祐希に引きずられて去って行く。
リビングを出るときに、肩越しに祐希が手を振って、西園寺は振り返ってきちんと頭を下げてくれた。
いい子だ。
今時の高校生も捨てたもんじゃない。
……まあ、例外もいるが。
「中指つき立てんじゃねぇ!」
くそ笹木。
ちょっとだけ感謝しちまった自分が憎らしい。
さてと。
リビングを横切って、西園寺が教えてくれたドアの前に立つ。
これだけ騒いでいたのに出てこないなんて、天の岩戸かよ。
「藤沼、入るぞ」
一応声をかけてドアを開ける。
…………なるほど。
寝てやがった。
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