9.決断のとき

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「んじゃあ、邪魔者は退散しますかぁ」 「あ、間宮先生、輝君の部屋あそこです」 「あー眠ぃ。甘いもん食いてぇ。何かおごってくれ四ノ宮」 それぞれ勝手なことを言いつつ、祐希に引きずられて去って行く。 リビングを出るときに、肩越しに祐希が手を振って、西園寺は振り返ってきちんと頭を下げてくれた。 いい子だ。 今時の高校生も捨てたもんじゃない。 ……まあ、例外もいるが。 「中指つき立てんじゃねぇ!」 くそ笹木。 ちょっとだけ感謝しちまった自分が憎らしい。 さてと。 リビングを横切って、西園寺が教えてくれたドアの前に立つ。 これだけ騒いでいたのに出てこないなんて、天の岩戸かよ。 「藤沼、入るぞ」 一応声をかけてドアを開ける。 …………なるほど。 寝てやがった。
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