9.決断のとき

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ぐいっと一歩近寄って言い放つ。 視線がぶつかって、バチバチと火花が…………飛ばねぇな。 あれ? やけに静かだし。 祐希と西園寺はいいとして、なんで笹木まで無言……って、笑ってんじゃねぇよ!くそガキ! 「間宮、超笑える。……っ、腹、痛ぇ」 なんだこいつ。 腹抱えて笑いやがって。 ムカつくじゃねぇか。 俺はまじめに話してんのに。 「ナオ、マジ?」 何が? つうか、生徒の前でナオとか呼ぶな。 「間宮先生っ、輝君喜びます!」 お、おう? 大人しそうな顔をして、大きい声出るんだな。 どうでもいいが西園寺、そんなに力を入れて手を掴むな。 けっこう痛いぞ。 「嘘だよあんなの。俺、あいつのことダチだとは思ってるけど、好きじゃねぇし?  信じたのかよ。けっこう純粋だねぇ、間宮先生」 にぃっと笑った笹木が肩に腕を回してきた。 俺、やっぱこいつ嫌いだ。 先生って呼ばれて腹が立つのって、こいつだけだと思うぞ絶対。
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