プロローグ

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22世紀…。 格差は広がり、市場に出回る少ない食料や生活物資の奪い合いなどにより、犯罪者はますます増加していた。 そのため、刑務所の数が追い付かず、国は、ついに、刑務所に収監する囚人を、デジタルデータ化し、コンピューター内に閉じ込めておく事にした。 そうすれば、囚人のための部屋を極端に狭くする事が可能であるし…。 万一、冤罪だった場合でも、コンピューター内部のデータと化した囚人は歳を取らないから、その分、賠償金を減らす事ができる。 逆に犯罪事実が100パーセント確定し、死刑が求刑された場合には、ただ、囚人のデータをデリートすれば良いのだ。 死刑執行人は、死体を見る事も、片付ける事も、変な罪悪感みたいな物も、感じなくて済む…。 そんな刑務所が出来てから数十年が経った…。
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