いい湯だ、な?

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 それにしても、俺、今日はかなり頑張ったと思うな。こんなにも積極的に、大胆になったのは人生で初めてかもしれない。  広間で皆と一緒にご飯を食べて、少しだけだったけど竜助と話もできたし。ちょっとした茶番劇も見られて、あれは楽しかったなぁ。  それからお膳を運んでみたらぶつかるし、怪我なんて作ってしまったし。その怪我のせいで影秋を怒らせてさらに怪我が酷くなったし。  けれど、ひと悶着あったおかげでこうしてあの影秋と一緒に寝られる。うーん、終わり良ければ総て良しっていうのはさすがにひどい考えかな?  和之さんといい影秋といい、孤月さんへの不信感もあるけれど。皆が信じてあげないのならなおさら、俺は彼を信じたい。  たとえ本当に孤月さんが嘘吐きだったとしても、俺は彼を許す。というか、だとしたらどんな嘘を吐いてるんだろう? 「っ、ごほっごほっ……ん、っ」  あぁ、また咳が出てきた。  咳で影秋を起こしてしまうかもしれないし今日という日を頑張った俺を労わって、もう寝てしまおう。明日のことは明日考えよう。  千里の道も1歩から。
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