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何をやらせても平凡な成績しか残せない私は、なるべく目立たず静かに暮らしたいと思っている。
身の丈にあった生活を望んでいる。
そんな私とは住む世界の違うケイとナツ。
優秀で華やかな、私の幼馴染み。
僻み根性がある訳ではない。そう思ってはいるけれど、
やっぱりコンプレックスは、少なからずある。
何も考えず、一緒に泥だらけになって日暮れまで遊んでいたあの頃。
だけどどこに居ても目立つ二人の幼馴染みとの距離は、
時と共に自然と離れていった。
もとい、私が距離を置くようになった。
明るく元気で人気者のケイ。
いわゆるイケメンで運動神経が抜群で、いつもクラスの中心に居る。
穏やかで優しくて癒し系のナツ。
昔からお人形さんのように可愛い顔をしていて、頭も性格もすごく良い。
そんな二人の幼馴染みと三角関係になるなんて、
平凡な私のリアルでは有り得ないと思ってた。
そんなのは所詮、マンガや小説の中だけの、
夢のようなお伽話。
自分とは無縁なことだと思ってた。
蚊帳の外だと思ってた。
ケイ。
ナツ。
二人が笑っていてくれたら、私はそれでいい。
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