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「ついでにシャワーも使いなよ」
「そうだね、そうさせてもらう」
はぁ~。さっきまで怒鳴り散らしたかと
思うとすぐこれだ……
やれやれと思いつつ上に行くと
カウンターには3人分の朝食が
用意されていた。
「お姉さん大丈夫そうですか?」
「大丈夫、大丈夫。
あんなの心配するだけ時間の無駄。
今、すんげぇ喜びながら着替えてる」
「そうですか」
「それよりさ」
カウンターに肘をつけて前のめり聞く。
「あのスーツと靴でいくら?」
ねぇちゃんが目利きできるのは
料理だけではなく、
アクセサリーや服もまたしかり。
そんな人が喜び、ウキウキするなんて
よっぽど流行っているらしい。
流行に疎い俺が知る筈もないんだが。
「えっと……ですね……、
お金は気にしないでください」
大地は目を泳がせた。
あからさまに俺には払えない
金額であることを態度で示している。
「いやいやいや、マスターとして
そう言う訳には……ねぇ~……。
払う予定とか言っちゃってるし~」
などと言ってはいるが、内心ヒヤヒヤ。
「本当に気にしないでください。
初めから貰うつもりありませんから」
はぁ!?俺なら吹っ掛けるぞ!?
「じゃなにか、君はお金持ちなのか?
あのブランドは美羽ねぇでも手が出ない
くらい高い物らしいじゃないか」
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