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「美羽さん、僕上で待ってるんで、
着替えて来てください。
美味しいカフェオレ煎れますんで」
かるく俺に会釈をして部屋を出ていくと
そっとトイレから顔を出した。
「着替えるって言っても私この服しか
帰らないとないんだけど……」
ため息をつきながら大地が部屋の
ソファに置いていった袋を持ち上げた。
「何それ……?」
「ねぇちゃんの仕事着一式。
まさか昨日と同じ格好ではさすがに
不味いと思って大地に頼んだ」
「はぁ!?あんた従業員にそんな事まで
させてんの?あり得ない!!」
「いつもじゃねぇよ!!しかも特別!!
金はちゃんと俺が払う予定!!!
ねぇちゃんが目覚めて大地しか
居なかったらパニクるだろうって
気を利かせてくれたんだよ」
「そっか……ありがとう」
大人しくトイレから出てきて袋を物色。
その姿を後ろから覗き込もうとすると、
美羽ねぇちゃんはばっと振り返った。
「これ、超が付くブランド物じゃん!!」
「えっ?そうなの?」
「最近注目集めてんだここの服、
ワンピースとかむっちゃ可愛いけど
私でも手が出ないくてさ~」
そう言って等身鏡の前で自分に当てて
喜び始める。
「へぇ……そうなんだ」
「うわぁ~、まさかflowerの新作スーツが
着れる日が来るなんて!!」
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