最終話

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とりあえず産んでから、もう3年が過ぎました。 今では、カボチャみたいなコロンとした娘で。 全く私の言う事は、きいてはくれない。 と、いうのか。 栄司くんの事、大好き娘に育っています。 花苗は、きっと。 私が思うに。 永田家を支えてきた、お婆様の生まれ変わりなんだと思うのです。 四年前、お婆様は一旦、永田家に病院から戻って、数日間過ごして、自分のベットで、みんなに見送られて亡くなった。 私は、亡くなった後にしか会う事は出来なかったけど。 私は、今まで自分の判断だけで生きてきた。 家族の存在なんて、どうでもいい。 都合のいい時だけの家族って。 好き勝手、自分だけの独断で、自分だけの人生なんだと、生きてきた。 でも、栄司くんと出会って。 栄司くんの家族と出会って。 栄司くんの親友と出会って。 言葉に出来ない、形には表せないモノ。 それを感じ取れるモノが、家族なんだって分かった。 ごめんなさいも。 ありがとうも。 自然と伝わり合う関係。 それが家族なんだって。 素直に言えない気持ちですらも、分かって貰える家族。
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