kiss 5 [1万回の其の先に在るもの]

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「なに? 舞のキスフレも似た様なもんでしょ?」 「ぜ、全然違う……」 水をがぶ飲みして、干上がりそうな喉をどうにか潤す。 小栗とは、 アメリカ人がする 軽い挨拶程度のキスってやつ。 あんな濃厚なの したことありませーーん! そして、本題に入る。 「成宮とキスしたの? 舞が?」 「ほぼ無理やりです。 合意の下じゃあございません」 そう言い、 黒豆入り雑穀米ご飯に舌鼓を打った。 「ほぉ、性犯罪者に、 成宮を仕立てるおつもりと?」 「そこまでは、飛びすぎでしょ?」 「正直、キスされたの嫌だったの?」 うーん、わかんない。 強引だったけど。 ちょっと....ドキドキしたかも....。 「そこまで、 嫌いってワケじゃなく...」 「生理的に受け付けない タイプではないんでしょ?」 「それは、素敵だと思うし、カッコイイし、 でも.... 次元違いすぎると思うんだ。 私なんかじゃ、満足しない人に見える」 「そんなこと無いと思うよ。 舞だって大手メーカー勤務でしょ? 別に気後れ感じる必要ないよ。 ようはさ、 年収だとか ステータスの落差とかじゃなくって、 舞が付き合っていけるか、 どうかってことじゃない?」 あれれ? なんか...... 付き合うって話になってる? そしてさらに付け足すレーナ。 「今朝さ、成宮から言われたの。 舞ってフリー?って、 あいつ狙い定めると行動早いんだよね。 地でタイムイズマネーやってる 人間だから特にそうなんだ」 時は金なり。ですか。 さすが、証券ディーラー。 それで、 会ったばかりでキスですか? さすが .....レーナの同僚なだけある。 .
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