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ああ、とセトミは納得する。そこには、瞳のほかにもう一つ、人ならざるものがあった。まるで猫の耳のような、それ。
……見られたか。彼女は思わず嘆息する。こんな奴を殺さないために、自分の秘密を明かすなんて、我ながらとんだ甘ちゃんだ。
「しまえ、って言ってるの。聞こえなかった? それとも、頭をグリルにされるのがお好み?」
少し語調を強め、鋭く男をにらむ。その視線に我に返ったように、男があたふたと銃をしまう。その様子は、まるで猫に弄ばれた後のねずみのごとく。
「さっさと出て行きなさい。そこの伸びてる二人も連れてね」
あごで、床に転がる二人の男を指し示す。かくかくと張子の虎のようにうなずくと、男は怯えきった表情で、残りの二人を引きずるようにして去っていった。
おおー、と酔っ払った客たちの歓声が上がるのをよそに、セトミはすばやく帽子を拾う。その頭には先ほどの猫の耳のようなものはもうないが、それを隠すように彼女は帽子を被りなおした。
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