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過敏になりすぎている自分が、自意識過剰すぎるんじゃないか。と、思うほどに、
二人の間には、やたら距離が開いていく
充分二人並んで歩ける歩道の上を、離れた影がユラユラと揺れながらゆっくりと前へ進む
身体が離れたら、心も同じように離れたらいいのに。
「美紗緒」
またピタリと立ち止まって、先を歩いていたイチさんがゆっくりと振り向いた
ああ、――ずるい
「はい?」
吸い込まれていく
「ここにする?」
イチさんが指差したその先では、うどん屋さんののれんがゆらっと風に揺れていた
「……はい」
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