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憧れの人
「違うって!」
「早く掻き交ぜて!」
「その液に付ける!」
「早くっ!!」
翌日、暗室にはあかりの怒鳴り声が響いた。
いつものあかりじゃくてちょっと怖い。
現像するのが初めてのあたしには、何がなんだかさっぱり分からず、おどおどする。
現像する前に手順を予め教えてもらったのに、いざやるとなるとパニックになってしまった。
「こ、これ?」
「それが停止液だからね」
停止液……?
停止液ってなんだっけ?
あとで聞こう。
「はい」
あたしはあかりに言われた通りに作業を進める。
「次は定着液ね」
定着液?
これだっけ?
何本も立ててあるボトルを見て、定着液を探した。
「これだってば」
あかりはたくさんあるボトルから一本取り出し、あたしに渡す。
その後もあかりの怒鳴り声は響き渡った。
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