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「錦さんて、警察のかた?」
突然白虎はクスクスと笑い始めた。
錦はもちろん、千里にとってもそれはなかなか見ない光景で、呆気にとられてしまう。
「だって、敬礼とか咄嗟に出ないでしょ」
なおも笑っている白虎に、その場は少し和やかになった。
その後、馬車の用意が出来たと団員が報告に来て、一同はそちらに移動した。
それと同時に、集まっていた団員達も散り散りになり、白虎は漸くホッとため息をついた。
やはり、大人数の真ん中にいるのは気疲れするらしい。
用意されていたのは、二頭立ての四輪馬車。そこへ、千里、白虎が横並びに、錦が向かい合うように乗り込んだ。
錦の緊張も、先程よりやや落ち着いてきているように見える。
「では、私はギルドを離れられないのでここで。
拓真、しっかり補佐して来るんだぞ」
「はい、久遠さん! 任せて下さい!」
まるで大きい兄貴と弟のようで、微笑ましい。晴れやかに見送られて、三人はコハルドを後にした。
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